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『迷宮ブラックカンパニー』既視感を感じる第三話

会社に洗脳された主人公
©2021 安村洋平/マッグガーデン/ライザッハ鉱業デトモルト支部

迷宮ブラックカンパニーとは?

『迷宮ブラックカンパニー』は安村洋平先生が原作の同名漫画をアニメ化したものです。
簡単に内容を説明すると、異世界に飛ばされた主人公が現地のブラック企業に抵抗しつつ不労所得での生活を目指すお話です。

豊かなニート生活を得るために主人公は努力を惜しみません。
突如現れた強敵を前に同僚を生贄に差し出すなど発想はゲスですが、最終的には身を張って助けるので誰も不幸になりません。
見ていて安心できるアニメです。

異世界の社員研修なのに既視感が…

このアニメの主人公は無限ワーキングを強いるブラック企業で働いています。
社員の命は使い捨てで、業務中に200名近くの犠牲が出ても問題にすらなりません。

迷宮ブラックカンパニーの第三話ではそんな会社が社員研修を行います。
主人公たちは海を隔てた”社畜島”に隔離され、だんだん染め上げられていきます。

このアニメはもちろんフィクションなのですが、三話を見た時に既視感を感じました。
描写が妙に細かいので思い当たる節が所々にあるんですよね。

社員研修で社員を島送りにする部分

社員研修って俗世間と隔離しがちです。
あれは何の意味があるんですかね? 謎です。
道や港を塞いで里の全家屋に飛び込み営業ぐらいですかね。

先に述べたとおり主人公は島送りにされます。
そこで徹底的な研修が行われます。

具体的な内容は本編を見ていただくとして現実でも似たことを行ないます。

社歌や社訓を暗唱したり、それをみんなの前で発表したり、お客様目線のホスピタリティを植え付けられたり、滅私の精神を讃えたり、まだお給料すらもらっていないのに会社と社長に対する感謝の心を持つように要求したりと会社が求める社員像を叩きこまれます。

現実では数週間かけて染めますが、主人公たちは異世界特有の方法で短期間のうちに完璧に仕上がっていきます。

定番の座禅

精神修養と銘打った座禅は社員研修の定番です。

現実では何も問題がない人間に理不尽な注意を与え続けて反抗心を無くす手段だったりするのですが、迷宮ブラックカンパニーの指導教官は社員の心の内をきちんと推し量ってくれるので理不尽さがありません。

主人公が不穏なことを思い浮かべるたびに的確に喝を入れてくれます。

的確な喝を入れる指導教官
©2021 安村洋平/マッグガーデン/ライザッハ鉱業デトモルト支部

この辺りはアニメならではだなあと思いつつ、劇中では悪く描かれる指導教官への好感度がグッとアップしました。

研修が終わってみんなで泣いているところ

過酷な研修が終わると洗脳されている人間は本当に泣き出します。
「ありがとう!」「ありがとう!」と急に叫びだしたりします。
ただ隣に並んでいるというだけで全く面識のない別グループ同士の男女が嗚咽しながら抱き合ったり、なんならキスしてたりします。

アニメではみんな泣いてるだけなんですが、誰一人冷めた顔の人物はいません。
洗脳率100%です。
改めてこの指導教官はめちゃくちゃ有能だと思いました。

これでだいたい迷宮ブラックカンパニー第三話の半分ほどです。

洗脳が進むにつれて変化する主人公のリアクションの変化に笑いが止まりません。
凄く密度が濃くて楽しめます。

みんなも迷宮ブラックカンパニーを見よう!

内容が重くなったので勘違いされる方も多いかと思われますが、本アニメはブラック企業の理不尽さを主人公が持ち前の悪知恵ではねのけていく痛快アニメです。

洗脳された主人公はもちろん苦境を乗り越えてどんでん返しを行ないます。

ゲスな主人公と仲間たちの物語はまだ始まったばかりです。
この機会にぜひ触れてみてはいかがでしょうか?


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